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兵庫陶芸美術館開館20周年記念特別展「博覧会の時代HYOGO発、明治の輸出陶磁」

2025年5月27日

担当部署名/兵庫陶芸美術館  直通電話/079-597-3961

1.展覧会の概要

幕末から欧米諸国に広まったジャポニスムの影響により、日本の工芸品は人気を博しました。明治という新たな時代に入り、政府として初めて参加した1873年(明治6)のウィーン万国博覧会(オーストリア)での成功は、さらなる輸出品の製造を後押しし、有田(佐賀)や薩摩(鹿児島)、九谷(石川)、横浜(神奈川)などの地域で豪華絢爛な陶磁器が盛んに作られました。輸出工芸品の図案集『温知図録』が政府によって編纂されるなど、国内外の博覧会への出品や輸出が大いに奨励され、陶磁器製造が殖産興業とも深く結びついた時代です。

兵庫県内の産地では、白磁の細工物に優品の多い出石の盈進社や、鮮やかな色絵製品を焼いた姫路の永世舎、江戸時代後期に創業した珉平焼の流れを汲む淡路の淡陶社などが輸出陶磁を焼いたことで知られています。

また、1868年(慶応4)に開港した神戸港は、横浜港とともに国際貿易港として大きな発展を遂げます。神戸では港に近い利点を活かし、素地を他産地から取り寄せ、絵付けのみを行う製造者や販売店が操業しました。当時の人気を反映した、九谷の赤絵や薩摩の金襴手に倣った陶磁器が焼かれ、これらを総称して神戸絵付と呼んでいます。

本展では、2025年の大阪・関西万博の開催に合わせ、博覧会が盛んに行われた明治期に兵庫県内で作られた輸出陶磁を紹介します。時代の潮流が生んだ華やかな陶磁器をお楽しみください。

2.展覧会の見どころ

1 明治の工芸品は近年その技術の高さからも注目を集めています。出石の白磁や神戸絵付は、まさに超絶技巧。高い技術力に支えられた明治の美を感じられます。

2 神戸港の近くで操業した神戸絵付をまとめて紹介する貴重な機会。豪華な色絵金彩の世界を楽しめます。

3 『温知図録』に掲載された兵庫県内産地の図案(パネル掲示)を一挙に紹介。海外を志向した華やかな図案とそこから生まれた陶磁器をご覧ください。

3.会期 2025年6月7日(土曜日)~8月24日(日曜日)

4.開館時間 10時00分~17時00分 ※入館は閉館の30分前まで

5.休館日 月曜日
       ※ただし7月21日(月・祝)・8月11日(月・祝)は開館し、
      7月22日(火曜日)・8月12日(火曜日)は休館


6.観覧料 一般700(600)円、大学生600(400)円、高校生以下無料
                 ※()内は20名以上の団体割引料金
                 ※70歳以上の方は半額 
                 ※障害のある方は75%割引、その介助者1名は無料

7.会場 兵庫陶芸美術館(丹波篠山市今田町上立杭4)

8.主催 兵庫陶芸美術館、丹波新聞社

9.後援 兵庫県、兵庫県教育委員会

10.協力 丹波立杭陶磁器協同組合

11.関連イベント

記念講演会「博覧会の時代-ジャポニスムと日本」

講師:佐藤道信氏(東京藝術大学名誉教授)
日時:7月12日(土曜日)13時30分〜15時(開場は13時)
会場:当館研修棟1階セミナー室
定員:110名(事前申込制、先着順)
聴講料:無料 ※聴講には本展の観覧券(半券可)が必要です。

◆ワークショップ「職人体験!当時のデザインに挑戦」

講師:当館陶芸指導員
日時:7月26日(土曜日)10時00分~15時00分
会場:当館エントランス棟1階工房他
定員:20名(事前申込制、応募者多数の場合は抽選)
参加費:有料
応募締切:6月29日(日曜日)16時

◆当館学芸員によるギャラリートーク

日時:6月14日(土曜日)、7月19日(土曜日)、8月23日(土曜日)
いずれも11時から1時間程度 ※観覧券が必要です。
※各イベントに関する詳細は、お問い合わせください。

12.その他

展覧会を含め各イベントにつきましては変更・中止となる場合があります。最新情報は、当館ホームページ等でご確認ください。